教師の俺が地味子に童貞メスイキ調教されてアクメ三昧

【プロローグ】

 視聴覚室で英語の映画を鑑賞する。
 教科書で機械的に文字を読むよりも、実際どういうシチュエーションでどんなセンテンスをどんなイントネーションでどんなコミュニケーションをとっているのかを目と耳と感覚で受け取る。
 教師にとっては手抜きというか生徒にとっても楽でありがたい。それほど刺激的ではないドラマだけど、字幕があればなお楽しめたと二年Bクラスの生徒全員が思っていただろう。映画マニアの英語教師のお気に入りだというこの映画は、映画ファンにも受けがいいらしい。英語を感じつつ作品の良さを感じてほしいと事前にそう言っていた。
 久佐恋こころは暗がりの中で教師にこっそりとトイレを申し出て、トイレに寄ってからそのまま自分のクラスに向かっていた。
 いじめられているわけではないし、完全にクラスでぼっちでもないのだが、どこかこの二年生のクラスでも居心地が悪く、視聴覚室の暗幕で閉じ込められたややぬるい空気をクラスメイトと共有するのもうんざりしていた。終わりまでサボるつもりはないものの、新鮮な空気を吸って少しだけでもいいのであの空間にいる時間を減らしておきたかった。読みさしの小説を一章ほど読んでから戻ろうと思いつつ扉を横に引く。
「っ!?」
 思わず声が出た。それはそうだ。想定してもいない驚愕の出来事に突然直面した際に、漫画や小説にあるようにとっさに口をつぐむことはそう容易なことではない。ガツンと衝撃がくるから反射的に声も出るのだ。
 この私立の女子校の教室で、男が、こころの席の上に運動着入れを広げて、多分こころのハーフパンツに顔を埋めていた。
 こころの声に気色ばむ顔で振り向いたその男は、確かに今朝見た服装で見間違えるはずもないよく知っている顔の、二年B組担任男性教師。
 左手にこころのハーフパンツ、右手を股間に添えている、有家真蔵その人であった。
 
 
 
 二年B組担任教師。有家真蔵。独身。二十六歳。担当教科は国語。男子不足の女子校であることを差し引いてもイケメンで教師としての評価も高く、よくトップカーストの女子に囲まれている。にも関わらず浮ついた噂が立たないのは、見た目の爽やかさにそぐわない清廉潔白な性格でホルモンギラギラの女子生徒たちをいなしているからだ。
 対して久佐恋こころは一応の友達こそいるもののこの学校の生徒たちのカーストでいえば底辺も底辺で、授業と創作同好会の部室で怪しげな薄い本を読むこと以外に学校にいる理由がない。当然、今まで真蔵のような高嶺の花と授業以外で接するなど、とりわけ問題児で教師から生徒指導を行われることもなかった目立たないこころにはありえなかった。
 生徒指導室を使う表向きの理由はこころが漫画を持ってきていたからということにしている。それなら創作同好会のこころを知っている他の教師からあやましまれないし、まんがで持ち込みはギリギリ許されるかどうかの範囲でたまの指導なら不自然ではない。
 実際には指導ではなくて、真逆にこころが真蔵を問い詰める尋問の時間であった。
「どうして、あんなことしたんですか?」
「すまない……つい、魔が差して……」
「どうして、魔が差したんですか?」
 ヒステリックになって一方的に責めてもいいはずのこころは異常なほどに大人しい。
 こころはリノリウムの床に靴を脱いで土下座をしている真蔵を前に、未だに混乱と人並みの恥辱と無意識の僅かな昂ぶりを秘めて、いつもの自信の無さ気な小声でぽつりぽつりと真蔵に尋問を続けた。
「それは……そのっ」
「私だったら暗くて大人しいからバレても問題にならない、とでも?」
 真蔵もこころからしたら立派な大人で立派な男に見えるので、それなりにプライドがあるのだろう。その先はなかなか口を割らなかった。
 こころはそんな大人のくだらないプライドを見透かして見下した。そして、
「先生、一つお願いがあります」